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Cisco Meraki Go 2階用を追加購入したお話し

yutanty.hateblo.jp
1年前に業務用のWi-Fiアクセスポイント(以下 AP) CiscoのMeraki Goを自宅に導入しましたという記事を投稿しました。

その続編で、2階に2台目のMeraki Goを設置したお話しです。

なるべく2階にも電波が届くように1階のAPは、天井近くの高い場所に設置しましたが、どうしても2階全ての部屋に良好な電波が届かないのです。
大体は、電波が届いているのですが、APを設置した部屋から一番遠い2階の北側の部屋の電波環境が非常に悪く、アンテナが1本しか立ちません。

電波があまり届かないのは、周波数の高さが影響してきます。

電波というものは、周波数が高くなれば高いほど、情報の伝達量がより多く送れる一方で、あまり遠方に届かなくなるという性質を持っています。
Wi-Fiが扱える電波の種類は、日本国内では主に3種類存在し、周波数が低い順から、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯となります。
ただ、6GHz帯に関しては、電波法の改正で今年から使用できるようになった関係で、そもそも対応している機器が少ないため、実質的に2.4GHzと5GHzの2種類となります。

www2.elecom.co.jp

2階では、1階のAP電波が弱くなるため、増設する形でもう1台購入する事になりました。



と言うことで、Cisco Meraki Goの2台目を購入し、一番電波が弱い2階の北側の部屋に設置しました。
2階APのバックボーン回線は、PLCアダプターによる電力線を用いる形式の通信方法にしました。
一番はLANケーブルによる配線が一番効率がよく品質も一番いいのですが、1階からの配線が非常に面倒ということもあり、既存の電力線を用いるPLC形式にしました。

lan-pc.pc-beginner.net

結果はというと、大幅に改善されました。
アンテナが3本立つようになり、パケロスも無くなりました。
設置するにあたり、1階と2階のアクセスポイントのSSIDは同一にし、Wi-FiローミングによるAP間の自動切り替えが行えるように設定したのですが、今度は2階の南側の部屋でローミングが頻繁に行われるようになりました。

ssaits.jp

原因は、1階と2階のAPから出る、それぞれの電波の強さが拮抗しているため。
1階、2階のAPの電波がほぼ同じくらいになると、少しでも電波が強くなれば、その強い方のAPに切り替わりを繰り返してしまうため、頻繁に切り替えが発生してしまいます。

本来は、2階のホールに設置する予定でしたが、2階ホールの電源の相が親機が設置している相と異なるため、設置できず、仮として北側の部屋に設置していました。



家の配電盤に設置している各配線用遮断機(ブレーカー)が2段構成になっていることが多いです。
一般的な家庭では、外の電柱より単相3線で配線されており、構成として交流100Vの線が2本(黒線、赤線)と中性線(白線)の3相構成です。
3本の電線は、家の配電盤にある配線用遮断機で分配し、各コンセントに配電されています。

簡単な例でいうと、2本の100Vの線のうち、1本が上段の配線用遮断機に分配、もう1本が下段に分配されます。
この2本の線はそれぞれ独立しているため、別々の電気回路と言ってもいいですね。

ちなみに中性線(白線)は、アース線とも言われ、電柱の変圧器に接続され、大地に接地されている線です。
この線は、漏電した場合に電気が流れて大地に電気が逃げるようにしている線で、電気が流れておらず、この線は全ての回路に接続されています。

detail-infomation.com


我が家の配線ですが、PLCの親機が設置されている回路は、1段目にあり、2階ホール系統の回路は2段目にありました。
北側の部屋に仮で設置していたのは、北側の部屋の回路が、たまたま親機が設置されている回路と同一の相で繋がっていたため。
最悪は、相が異なった場合でも、全ての回路と繋がっている中性線1本のみでも通信は行えますが、通信速度はあまり期待できません。
PLCアダプターが最大限に発揮できるのは、親機と子機が同一の相で繋がっている場合で、その場合は2本の線で通信が行えます。

www.iodata.jp
I−O・データ機器さんのサイトに分かりやすく説明されてました。

結論とすれば、2階ホール系統の回路を1段目に変更すれば解決となりますが、面倒な作業なため、今まではやらずにいましたが、この問題を解決したかったので、行うことにしました。
今回行った分電盤の回路変更を伴う作業は、電気工事になるため、工事する場合は電気工事士の資格が必要です。
工事の際は、電気工事屋又は、資格を持っている人に頼みましょう。

ちなみに、私は電気工事士の資格を持っているので、自力でやりました。




2階ホールの電気回路を変更したのちに、2階Wi-Fi APを、階段を昇ったホールに移設しました。
設置方法は、1階のAPで設置した方法と同一で、マスキングテープと両面テープによる設置です。




我が家のネットワーク構築図を簡単に作ってみました。
1階にあるモデム・ホームルーターに、外部から光回線が接続され、そこからLAN分配し、1本は1階の APに接続。
もう1本は、電源コンセントに接続されているPLCアダプターの親機に接続されています。
PLCアダプターの先は、電力線を用いて2階のコンセントへ、2階のコンセントに、PLCアダプターの子機を接続し、そこからAPにLAN接続しています。
※PLCアダプターの親機と子機は、同一の相で接続。



1階と2階のWi-Fi APのSSID(識別用ID)は、同じ名前に設定してあります。
Wi-FiのSSIDを共通にすることで、階の行き来した場合、設定画面でWi-Fiの接続切り替えを行う必要なくAPの切り替えを行うためです。
また、接続するときに、それぞれ電波の強い方のAPに自動切り替えする仕組み。
これは、商業施設のフリーWi-Fiで同じような構築が見られます。

いちいち移動したら、接続先を変更するのは非常に面倒ですよね。
移動先でも、その場所で一番良好なAPに切り替えを行えるのは面倒が省けて非常に良いです。


net-hikaku.net

ここで注意が必要なのは、Wi-Fiが出す電波の周波数を別に設けるということです。
それぞれ、別々のAPとして動作しているため、周波数を同じにすると、APと通信機器同士で干渉が発生しています。
Wi-FI機器には中継器のも存在します。
これは、親機の電波を増幅して中継するもの、あくまでも親機の中継となってしまうため、通信周波数は親機と同一になりますが、今回は機器が別々のものになるので、周波数変更は必須になります。

あとは、1階と2階のAPの出力も調整しました。
出力を上げすぎると、うまくローミングが行えないため、2階では1階APが強すぎず、1階では2階のAPの電波が届きにくくするために出力を下げたりして調整しました。



設置前に比べて、27倍も速くなりました。
階段間でローミングもうまく働き、分散接続ができるようになり、今まで以上に快適になったと思います。
これで、しばらく様子を見る事にします。