みぬさんのページ

日々の何気ない出来事、アニメや気象観測などを記事にして書いています。

2020年10月度 日次観測データのおさらい

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前半は平年並み、後半は低め

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10月前半は秋雨前線が停滞した影響でぐずついた天気が多く、この時期としては降雨日が多い月となりました。
気温傾向では、10日前後は平年よりも大幅に低い日があった一方で、その他は平年並みかやや低い傾向となった日が多い一か月間となりました。

15日以降の下旬に関しては、最低気温が低い日が多くなり、10度を下回る日も増えてきました。
朝と昼の気温差が次第に大きくなっている傾向が見られています。


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グラフの灰色の点線は、最寄りのアメダス観測点の平年気温です。
基準として入れると分かりやすいかなと思い、新たに追加してみました。
黄色線が最高気温・最低気温を合算した一日の平均値、これを見ると10日・18日・30日前後にそれぞれ平年値よりも低くなりましたが、それ以外はだいたい平年値に近い数値が観測されていました。

また、下旬になるにつれて、日中の温度差が大きくなっていることも分かります。
特に26日は、朝の気温が9.5度、日中が23.5度とその差が14度もありました。


一か月雨量は平年よりもやや多め

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10月1日から31日までの月間総雨量は185.1mm
1981年から2010年までの月間雨量の平年値は164.9mmなので、今月は平年値よりもやや多めの雨が降ったことになります。


今年は木枯らしは吹くのか...?

木枯らしというのは、毎年10月中旬頃から11月の上旬にかけて吹く、北寄りの強い風で冬型の気圧配置になったことで発生する季節風です。
風速は8m/s以上で、発表は東京(関東地方)と大阪(近畿地方)のみ。
関東地方に関しては、去年・一昨年とも木枯らしの発表が無く、記録が残っている1951年の観測開始以降の記録だと2年連続の6回目。


今年の冬は厳冬? 3年ぶりに発生 ラニーニャ現象

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気象庁 日本の天候に影響を及ぼすメカニズム より引用

まず、ラニーニャ現象とは何なんだ...? という人に...。
ラニーニャ現象とは、太平洋の赤道の日付変更線より東側から南米西海岸にかけての海水温が平年よりも低くなる現象で、数年に1回の頻度で発生しています。
逆に平年よりも高い場合はエルニーニョ現象とも言います。
これが発生すると遠く離れた日本周辺でも様々な影響を及ぼします。

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気象庁 日本の天候に影響を及ぼすメカニズム より引用

今回発生したラニーニャ現象による影響は、温かい海水が西に移動し、フィリピン近海の海水温が平年よりも高くなります。
高くなると周辺海域で膨大な量の水蒸気が発生し、対流の活動が活発的になります。
ここに引っ張られる形で、北から寒気が引き寄せていきます。
これにより、日本周辺の上空は北から引っ張られた寒気に覆われて、冬型の気圧配置が強まり、厳しい冬になるということ。

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気象庁 日本の天候に影響を及ぼすメカニズム より引用

赤道付近の東寄りの海風が平常時よりも強く吹き、海面付近の温かい海水が西側に流されることで、東部付近は海底から冷たい海水が上がってくることにより海水温が低下し、この現象が継続することによりラニーニャ現象が発生します。


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気象庁 エルニーニョ監視速報(No.337)より引用

来年の春頃までラニーニャ現象の発生が非常に高い確率で予想されています。
これにより、今年の冬はいつも以上に厳しく寒い冬になりそうです。