みぬさんのページ

日々の何気ない出来事、アニメや気象観測などを記事にして書いています。

【Netatmo】強制通風筒による観測運用を始めました

私設の観測拠点を設けてから約3年近く(データ収集は9カ月)経過しましたが、更に観測値の精度向上を目的に、今までの観測方法であった自然風から、強制通風式の運用に切り替えました。

Netatmo屋外モジュールの性能上、防水処理がされていない為、雨に機器がかからない場所に設置しての運用と制限があり、我が家の設置場所の都合上、西向きに面したバルコニーの軒下に設置していました。
その為、朝は冷気が溜まりやすく、日中(特に15時台)は暖気が溜まり、観測データが極値を観測するケースが多くなっていました。


観測ケース① 穏やかな風 晴天時の観測データ

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青色は最寄りのアメダス観測値(越谷アメダス)、赤色が我が家での観測値。
朝の気温がアメダス観測値よりも下がる事が多く、昼間は大幅に高くなることが多い。
特に昼間の気温の上がり方が顕著になっていて、風が比較的穏やかな晴れた日は、アメダスよりも5度以上高くなったこともあり、観測データに信憑性を疑うようになりました。
これは、軒下の部分に暖気が溜まり続けることにより、本来の気温よりも高い数値を観測するという
逆に朝は冷気が溜まり続け、設置場所が西側という点もあり、陽が上がってもなかなか冷気が抜けず、11時を回ったあたりから急激に気温が上昇します。


観測ケース② 強風が吹く 晴天時の観測データ

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ケース②では、同じ晴天時で一日中 北西の季節風がやや強く吹いていた日のデータ。
グラフを見れば一目瞭然なのですが、アメダス観測値と観測データがほぼ一致することがグラフとして分かってきます。
多少の誤差はありますが、ケース①ほどの極端な数値変化も見られませんでした。


この結果が分かり、モジュールにはある程度風を当てた方がいいことが分かり、現在の観測方法を見直すことにしました。
現在の自然風式に変わって、強制通風式に変更することに至りました。

強制通風とは、現在の自然の風に任して観測する方法とは違い、筒内に温度計を設置し、その筒内に風を送り込むことにより、より正確な観測データを取る方法です。
気象庁が設置している地域気象観測システム アメダスにも採用している方式です。

ただ、気象庁型の強制通風筒を導入すると、コストがかなり高いため、自作でなんとか低コストで制作できそうな方法を探っていました。
そのなか、低コスト・簡素にできる方法として、国立研究開発法人 農業環境技術研究所から発表している「建築資材を活用した低コスト強制通風筒「NIAES-09」の製作法」の制作方法を参考にして制作しました。


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ホームセンターで塩化ビニル管を探し、今回は直径100mmの排気用塩ビ菅を購入しています。
最初は塩ビ管を二重にして、管内の遮熱も考えたのですが、そもそも屋外モジュールにもカバーが付いているので管1本のみにしています。
また、屋外モジュールを固定する為、外から穴を開け、ネジを1本取り付けています。


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モジュールを取り付けた図、よっぽどのことが無い限りは落下することは無さそうです。
また、筒内には下から外気を取り込む為、一応 塵等の侵入を防ぐため、塩ビ管の大きさに合うスクリーンを取り付けています。


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塩ビ管の上部には、トイレ用の換気扇を乗せる形で固定しています。
マスト固定には、マスプロのフェンス用固定金具を使用。
固定用のポールは、そこらに転がっていた使用していないポールを使用し仮完成。
仮完成とは、本来は2階のタワー(観測機器が取り付けてあるポール)に一緒に設置したかったのですが、換気扇を回す電源が確保できなかった為、電源が取れる場所に仮設置した状態。
雨が降る中設置が完了し、本日の正午前から強制通風式による運用を始めました。


強制通風式にしてから変化があったかどうかに関しては、変化があり次第 近況報告します。