みぬさんのページ

日々の何気ない出来事、アニメや気象観測などを記事にして書いています。

ラジオ受信で面白いツイートを見かけたので挑戦してきた

ある日、Twitter を眺めてたら気になるツイート を見かけました。



「NHK-FMの関東甲信全局がステレオになる場所を探そう」

遠距離受信界ではベテランでプロである武田 (@the_wave_hunter) さんのツイート。

関東には1都6県にそれぞれ県域のNHK-FMが存在します。その親局と甲信のそれぞれの局が全て受信でき、尚且つステレオ受信できる場所を探す...。
こう見ると... 一番距離が遠い長野局の受信難易度が高そうと思うのが一般人?の見解。
でも、それは間違い
長野局の親局は、標高2,000mの美ヶ原(王ヶ頭)から送信されてるため、関東では北関東の平野部だと比較的安易に受信できます。※美ヶ原は長野のテレビの親局送信所も設置されてるため、FMと一緒にテレビも受信できる場合があります。
ここでの大ボスは甲府局である。
甲府は甲府盆地内にある坊ケ峰という所から送信されています。
盆地と言ってる通り、四方八方山に囲まれてるため、関東では直接波を受信できるのはほぼ困難に近い状況。
受信できるのは大体、山岳地帯を屈折して飛んできてる屈折波。これを受信することも可能なのですが、更に困難にしてるのがコミュニティFM局(以下、CFM)。
実は、関東には甲府局の85.6MHzで同一の周波数で送信している局が存在します。
埼玉県川口市のFMコミュニティ川口(FM川口)というCFM局です。ここの局の周波数が85.6MHzと同一の周波数で送信されています。
川口市は筑波山からは見通せる、いや見えている状況です。
関東では近年、CFMがあちこちで開局してる為、年を追う事に遠方の局の受信が厳しくなってきています。

武田さんは甲府のみ中継局である三ツ峠局 86.0MHz もおK!と指定してきてる理由がそういう事です...。
(関東平野ではNHK甲府FM放送は三ツ峠局の方が安易に受信できる。同じ場所に設置されてるFM FUJI 78.6MHzは南関東の平野部では大部分で受信できます。)


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久しぶりの筑波山!
武田さんの挑戦状を受けて挑戦の場所として選んだのが、茨城県の筑波山。
都心からは離れ、長閑なこの筑波山で挑戦してみました。


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筑波山からの眺望は素晴らしいです!
筑波山と言えば... 以前にも受信調査で来た場所があります。
車で行くことが出来る筑波山ロープウェーのつつじヶ丘駅から南に1キロくらいの場所。
表筑波スカイラインの休憩所及び展望台があるところです...。

yutanty.hateblo.jp

こちらも眺望が素晴らしく関東の局や長野局などが受信できるのですが、ここで問題になってくる甲府局...。
予想通り、ここでの85.6MHzはFM川口でした。おまけに強力受信。
ここまで強いと甲府のNHK-FMの受信は絶望的です。
ちなみに、それ以外は問題なくクリア。甲府だけ鬼です。

スカイライン沿道の展望台では受信困難な為、今回はつつじヶ丘駅から少し降りた場所で調査しました。



結果はどうなの...? というと...。




超ギリギリでありますが、甲府もステレオ受信になり、関東甲信のNHK-FM 親局全てステレオ受信できました。
送信所が近い水戸と東京・さいたま・千葉は完璧なステレオ受信。横浜・前橋・長野はノイズがありますがステレオ受信。
宇都宮は後の筑波山が影になって、マルチパスがかかっていますが問題なく聞けます。
甲府は少しでもズレると混信して、FM川口に制圧されてしまいます...。



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適当に図を作ってみた。
遠方の長野局はおそらく直接波の受信だと思われますが、甲府は丹沢や秩父の山々に当たって屈折して飛んできた弱い電波を何とか受信した感じですかね...。
水戸やさいたまなどは送信所からの距離も近い分、かなり強力に受信できたことも分かります。


周波数 放送局名 親局
中継局
感度 備考
77.5 NHK-FM 新島 NHK東京FMの中継局
同一周波数のCFM局と混信
80.3 宇都宮 マルチパスあり
80.7 千葉  
81.6 前橋
81.9 横浜
82.5 東京
82.9 葛生 NHK宇都宮FMの中継局
83.2 水戸
84.0 長野
85.1 さいたま  
85.6 甲府 同一周波数のCFM局と混信
86.0 三つ峠 NHK甲府FMの中継局
89.0 藤岡・三波川 NHK前橋FMの中継局
受信感度の判断 ☆: ノイズなし ◎: ステレオ (ノイズ少) ○: ステレオ (ノイズ多)
▲: モノラル (ノイズ少) ▼: モノラル (ノイズ多)